焼肉・BBQを制して「本物の料理男子」を目指すべし【食べるエッセイvol.4】
BBQでうまい肉、焼けますか?
「男子厨房に入るべからず」なんて言葉もありましたが、最近では積極的に料理をする男性が増えてきましたね。
そんな男飯の代表格といえば、やはりガッツリお腹を満たせる「肉料理」です。
中でもアウトドアとして根強い人気を誇るBBQは、料理男子の腕の見せ所。
女性から見ても、手際良くうまい肉が焼ける男は、魅力的に映るのではないでしょうか?
中には「BBQは、肉を焼くだけだから料理でじゃない」なんて考える人もいるようですが、プロの視点から言わせていただくと……とんでもない!!
BBQでうまい肉を焼くのは、実はかなり難しいのです。
なぜなら、肉選び、焼き野菜選び、つけタレ選びにはじまり、火力の調整から焼き方まで、ありとあらゆることに神経を使わなければいけないから。
さらに、突然の雨や風など、イレギュラーな環境にも対応できる力まで求められるわけですから、もう大変です。
だからこそ僕は、BBQでうまい肉を焼ける男こそ「本物の料理男子」なのではないかと思うのです。
数年前、僕はとある経営者の方が開催するBBQ大会に「肉の声が聞こえる男」として招かれたのです。
「せっかく呼んでいただくのだから、絶対に満足してもらえるお肉を提供しよう」
と、気合は十分。
肉選びから薬味まで、徹底的にこだわり、せっせと準備したおかげで、当日には準備万全!
……のはずが、当日思わぬアクシデントが起きたのです。
「弱ったな、木炭が湿ってる」
前日に大雨が降ったことで、なんと火力となる木炭に湿気が生じてしまったのです。これでは、勢いよく火をつけることができません。
とはいえ、手際良く肉を焼いていかないことには、BBQをはじめることはできません。
「落ち着け。ピンチに素早く対応できてこそ、本当の料理男子だ」
焦る気持ちに蓋をして、僕は自分に強く言い聞かせます。
頭をフル回転させた結果、僕は肉の薄さや性質に合わせて、火加減を調整することにしました。
網上の火力のばらつきを生かして、火力が強い場所には火が通りにくい肉を、火力が弱い場所には焼きすぎない方がおいしい肉を、バランスを見ながら配置していきます。
また、できるだけ炭の真上では肉を焼かないようにも注意しました。炭に落ちた脂が酸化物となりそのまま肉に付着してしまうと、酸化物が飽和し、ほんの少しの肉しか食べていなくても、体が肉を欲しなくなってしまうからです。
こうした努力が功をなし、この日のBBQは大成功。無事、幕を閉じました。
参加した方からは「本当においしい焼肉だった」「こんなに沢山のお肉が食べられて嬉しい」と沢山の喜びの声をいただきました。
もちろん、普段からおいしい家庭料理が作れる男性は素敵です。
だけど、アウトドアやBBQのシーンで「肉を焼くことだけに情熱を燃やせる男」も、また粋というものではないでしょうか?
うまい肉でみんなを笑顔にしたい
丸優の代表に就任する前、私は直売所にいました。
当時のこだわりは、高級なお肉ほど数種類の部位を混ぜて販売すること。
脂身と赤みのバランス、香り、そして食感を混ぜ合わせたこの販売方法を、当時の僕はこっそり「愛のMIX」と呼んでいました。
そんな「愛のMIX」は「1度の買い物でさまざまな部位が楽しめる」と、常連さんの評判も上々。
もちろん、お店の利益だけ考えれば、冷蔵庫から複数の部分肉を一度に開封しなければならないので、コストがかかりますし、短期間で肉を売り切るのは、なかなか大変です。
でも、同じ部位だけ売ってしまうのは……なんだか肉の味に面白みがでないなあ、と思っていたのです。
うまい肉でみんなを笑顔にしたい。
現在は丸優の代表となり、商いの方法もすっかり変わりましたが、僕の根底にある思いは変わりません。
最後になりましたが、僕は、料理が得意な男性は、めちゃくちゃかっこいいと思っています。
だからこそ、声に出して言わせてください。
日本全国の料理男子のみなさん、BBQも焼肉も立派な料理ですよ、と。
肉選びから、火加減、薬味選び……焼肉の世界は知れば知るほど、おもろい。
それに、大切に育てられた牛、丁寧に扱われたお肉は、めちゃくちゃうまいのです。
肉を制する者は、料理を制します。
ぜひ、みなさんには、焼肉やBBQに情熱を燃やして大活躍する……そんな愛すべき真の料理男子を目指してほしいという願いを込めて。
今日はこんなコラムを書いてみました。
それでは、みなさまの今日が、明日が、より豊かでおいしいものになりますように。肉岡肉道でした。
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