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おいしい焼肉の食べ方。ブロック肉のまま焼く【食べるエッセイvol.02】

肉の声に耳を傾ける

「こんな風に調理されたくなかったなあ」
「せっかくなのだから、もっとおいしく食べてほしい」
「肉を粗末に扱う肉屋には買われたくないっ!」

肉を愛するあまり、僕にはときどき肉の声が聞こえてくることがあります。

牛肉や豚肉、そして鶏肉も、元をたどれば大切な動物たちの命。粗末にできるわけがありません。

僕は、長年肉業界に関わっていますが、普段からしっかりと肉の声を聞き「彼女たち(肉)が本当に望む方法で、おいしく調理してあげたい」と考えています。

さて、タイトルにもある通り、今回はおいしい焼肉の食べ方について。

みなさんは「焼肉」と聞いて、どんなお肉を想像しますか?

長方形にスライスされた「カルビ」?
小ぶりにカットされたコリコリの「ホルモン」……?

肉の部位はともあれ、多くの方が「焼肉」=「肉の切り身」を想像されたのではないでしょうか。

これらは、一見「焼肉業界の常識」のように思えるかもしれませんが、私なりに肉の声を代弁するのならば……

「焼肉ちまちま切るより大きく焼いて小さく切って食べたらええねん!!」とでも言っておきましょうか。

あ、私が言っているのではなく、あくまでお肉の声ですよ!(笑)

「一体どういうこと?」と思った方は、まずは僕が思う「理想の焼肉」をご覧ください。

で、でか……!いや〜、かなり大きいですよね。

いかがでしょう?

世間一般の焼肉のイメージとは大きく異なるかもしれませんね。

ーーー「いやいや、こんな風に塊で焼いたら火が通りにくいんじゃないの?」

そんな声も聞こえてきそうです。

表面に隠し包丁を入れれば、火はしっかりと通りますのでご安心を。

後は火加減を調整しながらブロック肉のまま焼き、余熱で中まで火を通しながら、食べやすい大きさにカットする。

工程はたったこれだけです。

焼肉は、細かい切り身の状態で一枚ずつ焼くよりも、ブロック肉のまま焼いた方が、ずっとおいしく仕上がるのです。


焼肉でハサミを使うタイミングは、お肉を焼いた後!

焼肉屋さんで、トングと一緒に置かれた「肉切りハサミ」を見かけたことはありませんか?

「あのハサミ、お肉を焼く前と焼いた後どっちで使うのが正解なの?」と迷っている方がいたら、今度からはぜひお肉を焼いた後に使ってあげてください。

「結局焼いて食べるのだから、最初に切ってから焼いても変わらないんじゃない?」と思っている人は……

間違いなく損をしています。

なんなら、目の前の「そのお肉」泣いていますよ!

「頼むから、最初っからちまちま切らんといてくれぇ」って大号泣です(笑)

そんな冗談はさておき。
全く同じお肉でも、焼き方ひとつで、なぜおいしさに違いが生まれるのでしょうか?

その答えは、ブロック肉のまま焼くことで、
肉の旨味がたっぷり詰まった「スジ」まで一緒に味わうことができるから。

通常、「食べにくい」「見た目が苦手」などの理由から、スジは切り身にになる段階でほとんど削ぎ落とされてしまいます。

しかし、実はこの「スジ」にこそ、肉の旨味や風味がたっぷりと詰まっているのです。

ブロック肉のまま焼いてからカットすることで、食べやすさはもちろん、肉のおいしさもグンッとアップ。いつもとはまた違った、深い肉の旨味や食べ応えのある食感が楽しめるはずです。

ちなみに、有名な某焼肉チェーン店の名物がおいしいのも、ブロック肉の中に、ちゃんとスジを残しているからなんですよね。

お店に行って「あれ、なんだかハサミでうまく切れないぞ……」と思ったら、その部分こそがスジ。肉の旨味なのです。

だから、お肉を塊のままど〜んと焼くのは、手抜きじゃない。

おいしさをより深く味わうためのロジカルな調理法なのです。

お家で焼肉をする際にも、同様で、お肉はブロック肉のまま焼いてからカットするのがおすすめです。

ぜひ今度の週末は、おいしいブロック肉を手に入れて、ワンランク上の焼き肉を楽しんでみてはいかがでしょうか。

一度食べると、もう普通の焼肉じゃ我慢できなくなるかも?

それでは、みなさまの今日が、明日が、より豊かでおいしいものになりますように。肉岡肉道でした。

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