仕事で「伸びる人」と「伸びない人」の違いはどこにあるのか?【食べるエッセイvol.17】
伸びる人と伸びない人の違い
仕事というのは不思議なもので、同じようにいろいろ頑張ってやっていても、「伸びていく人」とそうでない人にわかれていきます。
入社時期が同じでも、伸びる人はどんどん伸びるし、伸び悩む人はだんだん影が薄くなっていく。
仕事において自分の価値を伸ばしていく第一歩は「すべての結果の原因は自分にある」と気づくことからはじまります。
たとえば、僕たちが携わる「食肉」の分野であれば、価格や客層によって「売れやすい肉」と「売れにくい肉」があるのですが、伸びる人とそうでない人は、着眼点が違います。
売りたい肉が売れない時、伸びる人は「売れない原因」を探し、そうでない人は「売れない言い訳」を探します。
一見、同じように思えるかもしれませんが、これらは似て非なる者。
「なぜ、売れないんだろう?」と原因を探れば、その解決策に気づくことができますが、「〜だから売れない、仕方ない」と自己完結してしまえば、そこで話が終わってしまいます。
もしあなたが、今自分は伸び悩んでいるな、と感じているのなら、まずは今日限りで、あらゆる言い訳を辞めると決めましょう。
そして、代わりに
「もっと良くするにはどうすればいいんだろう?」「なぜ、なに、なんだろう」
そんな風に絶えず疑問をもち、日々自分をアップデートしてみるのはどうでしょうか。
「どのお肉にしようかな?」から「どれもおいしそう」へ
普段は卸業をメインとする丸優ですが、月に1度一般のお客様に向けた精肉販売「丸優ジャンボ市」を開催しています。
販売状況やお客様がいつもと変わりますから、ディスプレイの仕方にも新たな工夫が必要です。
お客様に「おいしそう」と感じていただくことや、自分の一挙一投足に真心込めるのは当たり前。
お客様が肉を前にした時、いかに買いたいと思ってもらえるかか……その「即決力」「購買意欲」を促すディスプレイになっているかが重要です。
そのためには、肉を魅せる角度、並んだ時から見える肉の角度、商品を見てもらう高さなどを、さまざまなことに気を配らなければなりません。
ファミリーでの来店も多いため、お子さんから「これ食べたい」と言ってもらえるかも、大事なポイント。
こうした細やかな気遣いがあって、ようやくその肉がお客様の目に止まります。
とはいえ、価格と見栄えの整合性が取れていない肉を購入してもらうことは難しい。
そこでジャンボ市では、肉の価格や見栄えに応じて、最も適したディスプレイを考え、みなさまに買い物を楽しんでいただけるよう工夫しています。
また「どの肉を選んでもおいしそうだ!」と思ってもらえるように、ディスプレイの際には、肉を横並びに整列させるのではなく、あえてどっさりと不均等な盛り付けをすることも。
「カットは均一に、ディスプレイは不均等・不定に」が僕のモットーです。
選択肢がありすぎると、人間はストレスを感じるもの。だから、あえて不均等なディスプレイで「即決できる仕組み」を整える、というわけですね。
理想は「どれもおいしそうだから、どれでもOK」と思ってもらえるディスプレイ。それから、商品が少なくなっていった時に、いかに「残り物感」を出さないかにも注力しています。
乾いた砂しか水を吸うことはできない
もちろん僕も、最初からこうした工夫ができていたわけではありません。
仕事をしていくうえで、「このままではダメだ」「なぜ思い通りにならないのだろう?」と伸び悩んだ時期もありました。
何事も、はじめからうまくいくわけではありません。
でも、思い悩んだり、頭を打った経験は、必ずあなたのスキルや能力を伸ばしてくれます。
乾いた砂しか水を吸わないように、人間にも「渇き」の期間が必要なのでしょう。
自分の外側に「言い訳」を探すのではなく、内側に「理由」を問う。
こんな姿勢があってはじめて、人は成長し、伸びていけるのかもしれませんね。
答えは自分自身で見つけていくしかない。
自分の価値を高めるのも、また自分なのでしょう。
それでは、今日はこの辺で。
みなさまの今日が、明日が、より豊かでおいしいものになりますように。肉岡肉道でした。
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