今日から屑肉(くずにく)・ヘタ・端は禁句!?「悔い改めな!」【食べるエッセイvol.10】
「屑肉(くずにく)」「ヘタ」「端」は禁句!?
松茸も椎茸も釈迦の目から見たら同じであるように、ヘレもサーロインもすね肉も、一頭の牛からいただく大切な命です。
にも関わらず、「市場の原理だ!」なんて言って、部位によって肉に優劣をつけるのは、全くもって人間のエゴだなあと思うわけです。
中途半端な切れ端は、使い道が定まらず廃棄される。
その一方で、脂だけを上手にスーッと切り落とすことができれば、貴重な「牛脂」へと生まれ変わる。
肉は切り方次第で、その良さを十分に生かすことができるのです。
だからこそ僕は、日頃から「屑肉(くずにく)」「ヘタ」「端」という言葉を使わないように、スタッフに言い聞かせています。
少々手厳しいですが、「屑肉(くずにく)」を生み出しているようでは、まだまだ一人前とは言えない。
「ヘタ」や「端」が生じるのも、己の責任というわけです。
焼肉のタレは肉の旨さを引き出すもの
これと似たようなことが、焼肉にも言えます。
夕方のスーパーに行ってみると、お肉売り場には「タレ漬け焼肉用」や「焼肉用タレ漬け」など、あらかじめタレに漬け込んだ肉が販売されていますよね。
肉業界に携わっていると、時々「タレ漬けのお肉って、新鮮じゃないんですよね?」なんて、悲しい声をいただくことがあります。
確かに世の中には、損害を最小限に抑えるために、変色した肉や賞味期限が近い肉をタレ漬けにして提供する店もあるようで……非常に残念だなと思っています。
焼肉のタレを甘く見ている。
なんとも由々しき事態です。
半沢直樹風に言うなら「全ての肉に謝罪してください!!」でしょうか。
本来、焼肉のタレには、肉を柔らかくしたり、肉の旨味を引き出す成分が含まれています。
タレは、あくまで肉の引き立て役。
うまい肉に、うまいタレがかかってこそ、最高の焼肉になるのです。
このことを理解していれば、
「タレでおいしさをごまかす」なんて発想には至らないですよね。
私たちのモットーは「肉の全てを生かす」。
丸優で販売する焼肉用タレ漬けは、
・真空パックにし肉を酸素から守る
・最高の鮮度を保つ
・肉を見極めベストなタレを丁寧に漬け込む
この3つを徹底しています。
この世においしくない食肉など存在しません。もし、あなたが口にした肉がおいしくないのだとしたら、その肉を扱った「人」に責任がある。
それを勘違いして「肉の部位が悪いから」「どうせ屑肉(くずにく)だから」なんて勘違いしている肉屋がいるとしたら……
最後に、ズバリ言わせていただきます。
すぅぅ……
「悔い改めなっ!(木曜ドラマ『ルパンの娘』風)」
あ!最後の一言はぜひ深田恭子さんの声でお願いします……(笑)
というわけで、今日はこの辺で!
みなさまの今日が、明日が、より豊かでおいしいものになりますように。肉岡肉道でした。
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