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なぜ家庭のカレーとお店のカレーは違うのか?【食べるエッセイvol.8】

スーパーに並ぶ「スネ肉」は整形された状態で売られている?

カレーが好きな人って多いですよね。
この数年、本屋にも沢山のレシピ本が並んでいます。

なぜ、家庭のカレーとお店で食べるカレーは違うのか。

それはお店のカレーが、肉にスジを付けた状態のまま煮込んでいるからです。

カレーをはじめ、煮込み料理の定番といえば、牛スネ肉。

一見、スジが多くかたいイメージがありますが、煮込むと柔らかくなり、料理にコクと深みをもたらせてくれます。

そんなスネ肉のおいしさは、スジや脂がセットになってこそ発揮されるもの。

ところが、スーパーに並ぶ際には、スネ肉の筋や脂は、ほとんど削いだ状態で販売されているのです。

肉の形を整形すれば、赤身が多く見た目が良くなるから、といった理由でしょう。

当然、食肉加工には手間とコストがかかりますから、その手間賃として「赤身単体」は高値で売られ、取り除かれた「スジ肉」は安く売られるか、最悪廃棄されてしまいます。

なぜ、コクや風味が詰まったスジを取り除く必要があるのでしょう?

なぜ、コクや風味が失われた赤身を高値で買う必要があるのでしょう?

これが、世の常識、肉業界の常識だとしたら……

みなさんは、どう思いますか?

カレー屋さんは「スジ」の持つ旨みを知っている

じっくり煮込んだ牛スネ肉は、柔らかくて最高にうまい。

だから目利きのできるカレー屋さんは、肉屋でスジ付きのスネ肉を買います。

「スジ」の持つ旨みを知っているからです。

おそらく、スーパーで赤身だけを買う……なんてことはしないでしょう。

「スジを残したまま煮込めば、最高のカレーが作れるのに」

「同じ肉から派生したうまい部位に、甲乙つけるのはおかしい」

本音をいえば、僕はこんなふうにさえ思っています。

だからこそ、丸優ジャンボ市でも赤身とスジを同一価格で販売しているのです。

……と言っても、なかなか難しい話ですよね。

なぜなら、僕の考えはまだまだ“一般的”ではないから。

みなさんは、知らず知らずのうちに「テレビで言うてたから鵜呑み」「世間の常識やから鵜呑み」になっていませんか?

でもね。

何でも鵜呑みにする癖がついちゃうと、なかなかおいしい料理って作れないんです。

だからこそ、この記事を読んでいるあなたには「本当かな?」と思ったり、気になったことはどんどん自分調べて、挑戦してほしいなと思っています。

肉業界に関わるものとして、僕はこれからも、世間の「肉の常識」をどんどん覆していくつもりです。

一緒に本当においしい肉を追求していきましょうね。

それでは、今日はこの辺で。
みなさまの今日が、明日が、より豊かでおいしいものになりますように。肉岡肉道でした。

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